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日曜美術館 にじむ心 ゆらめく命 版画家・恩地孝四郎の色とかたち

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(絵は私が描いたもので、本文と関係ありません)


顔馴染みになったある画廊に遊びに行った時の事。

「恩地孝四郎のこの作品、いいですねぇ」

店主は「この前、テレビでやってたね。恩地孝四郎」

「え。ほんとですか!? 見逃しました・・・」

「今度の日曜、再放送があるよ」

というわけで、今日の再放送を観ました。


恩地孝四郎の生涯など詳しく知らなかったので、とても楽しかったです。

テレビで取り上げられた作品は、個人的にはあまり好みではなかったのですが・・・。(もっといい作品が他にあったように思う、、汗)

装丁もいくつか映りましたが、装飾の豪華なものばかりで、月映のような、それこそ「色とかたち」で魅せる装丁があまり映らなかったのが残念でした。

また、せっかくコレクターの方が出演されたのに、番組内ではあまり発言されることはなく。。。

しかしながら、版画家の三井田盛一郎さんが、恩地幸四郎の作品を再現するシーンは、とても興味深いものでした。
「雑に・・・」と言われていましたが、あれこそ、ワタクシ語ではありますが「引き算の美」というもので、恩地幸四郎の引き算の感性はもしかすると、版画の偶然性から得たものが大きいかな?と個人的にいろいろ思うことがあり勉強になりました。


さらに、恩地孝四郎が音楽から着想した作品と、その実際の音楽が流れたところ。

あの選曲だけとっても、いかに恩地孝四郎のセンスが研ぎ澄まされていたのかがよくわかるような気がしました。

版画、装丁、写真、詩など、どこか一点に居着くことなく、それらに積極的にコンタクトしながら、それらの美のエッセンスを取り入れていく姿勢を、ある人は「多芸は無芸」と言うかもしれないが、私はそれこそ芸を知らない人の発言だと思うのです。

万物に美が宿ることを知らない人に、美の何を語れるでしょう?

恩地孝四郎は、多芸であったからこそ、あの領域に行けたのだと私は思います。




今回の番組とは関係ありませんが、テレビや書籍などで作家を取り上げる際に、その作家の生きた時代と作品を過剰に結び付けるのには、違和感があります。

間違ってはいないのでしょうが、全く合っているわけでもないと思うのです。


例えば、戦争のような悲惨な体験をしたとして、その時にできる作品が、全てその影響にあるかどうかは、やはり作家に聞いてみないと分からないことだろうと思います。

むしろ、作品にそういった思想を持ち込みたくないと思う人もあることでしょう。


明日がどうなるかも分からない不安な状況にあったとしても、くだらない話で笑うこともあるでしょうし、身近な自然の力強さに胸を打たれることもあるでしょうし、芸術作品に触れて現実逃避をすることだってあることでしょう。

作家を取り巻く状況や時代は、影響がないとは言いませんが、作家が作品を創る動機は、それと常に共にあるとは限らないと思うのです。

一個人にとっては、そんなこともよりも隣人の一言の方が、動機をもたらすエネルギーになるように思います。



さて、話はそれてしまいましたが、日曜美術館で恩地幸四郎を取り上げてくれたことが、本当に嬉しかったのです!

「でも、なぜ?」と思えば、なんと、恩地孝四郎展が東京と和歌山であるらしいではないか!

場所と会期は以下の通り。

東京国立近代美術館にて、
1月13日〜2月28日

和歌山県立近代美術館にて、
4月29日〜6月12日



残念ながら、福岡では開催されないようなので、なおのこと番組はありがたいものでした。

日曜美術館さま、ありがとうございました。
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